Twitterで #駆け出しエンジニアから金を巻き上げたい というハッシュタグが流行っているらしい。すごいハッシュタグである。
確かに、#駆け出し、まで入力した時点でこれが一番上に補完される。
#駆け出しエンジニアから金を巻き上げたい
— イワノ (@s_iwasyou) 2021年5月10日
こんなハッシュタグが流行っているみたいですね…🙄#駆け出しエンジニアと繋がりたい
これも今ではSNS営業のまとだし、純粋に頑張っているエンジニア同士が繋がれる新しいハッシュタグが必要ですね…
エンジニアについて特に興味が無い方のために説明すると、ここ2年くらいで異業種からエンジニアに転職をしようとする人が増えている。
エンジニアはちょっと勉強すれば誰でもなれて、リモートワークが出来て、フリーランスになりやすくて、簡単に高収入を稼ぐことができる、と思われているようだ。
こういう人たちが決まって付けるハッシュタグが、 #駆け出しエンジニアと繋がりたい というものになる。
私は現役のエンジニアで、エンジニアの採用面接官もしているが、エンジニア転職はそんなに簡単なものではないことは強く言いたい。
金を巻き上げられるパターン
巻き上げられる対象は主に「プログラミングスクール」と「オンラインサロン」になる。
ごま塩シンジさんのツイートで「100日後に挫折する駆け出しエンジニア」というものがある。まさにこれが金を巻き上げられる典型的なパターンである。
読み物としても秀逸なので、是非読んで笑って欲しい。
100日後に挫折する駆け出しエンジニア
— ごま塩シンジ@30代後半、完全未経験からプログラマーに転職しました (@YSinzi) 2021年5月8日
1日目
「へー。WEB系エンジニアになったら時間も場所も縛られず充分に稼げるんだ〜。
数ヶ月勉強すれば簡単になれるみたいだしやってみよう!」
100日後に挫折する駆け出しエンジニア
— ごま塩シンジ@30代後半、完全未経験からプログラマーに転職しました (@YSinzi) 2021年5月9日
7日目
「働きながら勉強しても全然進まない。
いっそ80万円のスクール入ろうかな。値段が高いからちゃんと教えてくれそうだし、転職出来なかったら返金してくれるらしい。
実務1年でフリーランスになって年収1000万になればすぐ取り返せるか」
100日後に挫折する駆け出しエンジニア
— ごま塩シンジ@30代後半、完全未経験からプログラマーに転職しました (@YSinzi) 2021年5月10日
30日目
80万円のスクールに入ったが、メンターが1か月研修を受けただけの未経験者。簡単な質問以外は答えられず
「自走してください」
と逃げられる。高額スクールなら丁寧に教えてもらえると思ったが甘かったようだ
100日後に挫折する駆け出しエンジニア
— ごま塩シンジ@30代後半、完全未経験からプログラマーに転職しました (@YSinzi) 2021年5月11日
60日目
スクールと並行して転職活動をはじめた
毎週20社応募しないといけないと『転職意思なし』とスクールに判断され、転職保証の返金対象から外れてしまう
実質無理ゲーにして返金する意思がない模様
80万円出して目的と手段を見失った転職活動が続く
100日後に挫折する駆け出しエンジニア
— ごま塩シンジ@30代後半、完全未経験からプログラマーに転職しました (@YSinzi) 2021年5月12日
70日目
転職活動に励むも
・SES
(最低2〜3年は非開発業務で下積み)
・年収200万代
・リモート不可
未経験はこういう求人が殆ど
1、場所と時間に縛られず働く
2、実務1年でフリーランスになって年収1000万円
上記の目標が難しい事に気づきモチベが下がる
100日後に挫折する駆け出しエンジニア
— ごま塩シンジ@30代後半、完全未経験からプログラマーに転職しました (@YSinzi) 2021年5月13日
80日目
転職活動に挫折しかけた頃一人のインフルエンサーのyoutubeをみた
「web制作なら場所も時間も縛られず稼げる」
「web制作で月収○○○万円達成!」
僕の心は決まった。早速オンラインサロンに入会。スクールでかじったRailsを捨てweb制作の道に進んだ
100日後に挫折する駆け出しエンジニア
— ごま塩シンジ@30代後半、完全未経験からプログラマーに転職しました (@YSinzi) 2021年5月14日
95日目
web制作のサロンに入ってわかった事はデザインが出来ないと話にならないという事だ
コーディングだけの仕事もあるが激安な上ライバルが多すぎて受注すら難しい
他のサロン生は実績作りに無料で仕事を請けている
自由に働けても稼げなければ意味がない
100日後に挫折する駆け出しエンジニア
— ごま塩シンジ@30代後半、完全未経験からプログラマーに転職しました (@YSinzi) 2021年5月15日
100日目
web制作は稼げない事がわかりやる気がなくなる
そもそもプログラミングなんて誰でもできる。わざわざ僕がやる必要はない
それに尊敬するインフルエンサーは皆マーケターである事に気づく
やりたい事を見つけた僕はマーケターサロンに入会した
マーケターだったらいいのか
100日目に挫折したエンジニアはこうしてマーケターサロンに入会したわけだが、もちろんマーケターという選択が正解だと言うわけではない。
マーケターサロンまでも含めて、金を巻き上げられているからだ。
アマゾン社員の教科書と言われている、データ・ドリブン・マーケティングという本がある。
この本で興味深い一節を紹介しよう。データの基づく意思決定を妨げる5つの障壁、の1つとして書かれており、その後にこれを乗り越えるための方法が書かれている。
マーケティングとはクリエイティブなものだ。細かい効果測定やプロセス管理は、クリエイティビティやイノベーションを阻害する。
このような感覚派のマーケターは、エンジニア出身のマーケターに今後ポジションを奪われていくと思われる。
それは、エンジニアになるのを挫折したマーケターによって、というわけではない。
エンジニアとして成果を残しながらも、次のステージとしてマーケティング領域を選択したマーケターによって、である。