エンジニアとパパ育児

都内でエンジニアをしています。妻子あり。主に育児について書いていきます。

産まれてすぐピエロと呼ばれた息子、の本を読んで

ふとYouTubeで動画を見ていると、並んでいる多数の動画の中で「道化師様魚鱗癬(どうけしようぎょりんせん)」という言葉が目にとまった。

魚鱗癬、という言葉には見覚えがあった。今年の初め頃にニュースサイトで魚鱗癬という皮膚の難病にかかっているインドの少年の記事があり、それが記憶に残っていた。

www.excite.co.jp

 

YouTubeで見つけた動画はこちらになる。

www.youtube.com

 

動画に登場する、道化師様魚鱗癬を持つ賀久くんの母である濱口結衣さんが書いた本が、「産まれてすぐピエロと呼ばれた息子」だ。

「一人でも多くの人に、道化師様魚鱗癬という病気を知ってもらいたい」という思いで濱口結衣さんは執筆をされた。

産まれてすぐピエロと呼ばれた息子

産まれてすぐピエロと呼ばれた息子

 

 

濱口結衣さんのブログはこちらになる。

ameblo.jp

 

 

道化師様魚鱗癬とは

魚鱗癬について簡単に説明したい。

先天性魚鱗癬は、全身の皮膚が赤くなり、魚のうろこ状やさめ肌状になってはがれ落ちる生まれつきの病気である。人に感染することはない。まれに後天的に発症することもある。

 

遺伝子異常が原因とされており、根本的な治療法は確立されておらず、症状を和らげる対症療法を行う。

治療としては、皮膚が乾燥しやすいため、ワセリンを1日に何回も大量に塗り保湿をしっかり行うことが大切になる。入浴も1日に複数回行う。

 

発汗作用が正常に働かないため、体内に熱をため込んでしまいやすく、夏場の熱中症などに注意をする必要がある。

また、通常皮膚が持っているバリア機能が正常に働かず、一般の人に比べ細菌が体内に入り込み、感染症を引き起こしやすい。

 

症状自体の苦しみの他、見た目による差別を受けてしまうこともあり、精神的にも苦しい病気である。

 

魚鱗癬は全国で100〜300人程度しかいないとても珍しい病気だ。2016年に指定難病として承認され、患者は一生涯医療費助成が受けられるようになった。

 

魚鱗癬の種類

魚鱗癬にも種類があり、最も症状が重いものが道化師様魚鱗癬になる。

ちなみに上のニュース記事で紹介したインドの子は、葉状魚鱗癬という病気になる。

魚鱗癬については以下のサイトに詳しく書かれている。

 

魚鱗癬(ぎょりんせん)(魚鱗癬様紅皮症とその他の重症魚鱗癬) Q1 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)

先天性魚鱗癬(指定難病160) – 難病情報センター

 

 

魚鱗癬の会 ひまわりについて

福岡県北九州市に住む梅本千鶴さんが代表を務める、「魚鱗癬の会 ひまわり」というものがある。

梅本さんのご子息のさんは、魚鱗癬の患者だ。遼さんが産まれた1995年にはインターネットも普及しておらず、今のように簡単に情報を収集することなど出来なかった。

同じ症状や病気に悩む患者や家族が互いに支え合える場が必要だと思い、会の設立に踏み切ったのだという。

魚鱗癬を少しでも世間に知ってもらうための啓蒙活動や、魚鱗癬の家族が情報を交換するための場を提供するために活動をしている。

 

魚鱗癬の会 ひまわり

 

先ほど、魚鱗癬が指定難病として承認されたことを書いたが、梅本さんの働きかけによるものが大きいのだと思う。

www.komei.or.jp

 

魚鱗癬の会を撮影した動画がこちらになる。

 

www.youtube.com

 

子を持つ親として

本の中では、知らない人から魚鱗癬の見た目について心ない言葉をかけられ、母親が傷つく場面がいくつか出てくる。世の中のほとんどの人は魚鱗癬という病気を知らない。知らないことがこのような悲しい事態を引き起こしてしまう。

一人でも多くの人が魚鱗癬という病気を知り、偏見のない優しい世の中になって欲しいと切に思う。

 

難病と闘う濱口結衣さんと賀久くんに心から敬意を表する

 

 

私には1歳になる息子がいるが、0歳の頃に、とある病気があると診断を受けた。難病と言われるほどのものではなく、比較的広く知られている病気にはなる。

それでも、治療をすることである程度の改善は出来るが完治はしないと聞き、当時大きなショックを受けたことを覚えている。

 

将来子供に自分の病気がどういうものかを話すときが来る。その時は、世の中には色々な病気を持っている子供がいることを伝えたい。賀久くんのことも話したいと思う。