エンジニアとパパ育児

都内でエンジニアをしています。妻子あり。主に育児について書いていきます。

バイオハザードRE:3 ストーリーについて思うこと

 先日、バイオハザードRE:3のストーリーについて、おおまかな流れを紹介した。

 

moutei.hatenablog.com

 

 

今回はストーリーについて思うことについて書いてみたい。

ゲームとしては素晴らしい出来だったが、ストーリーは再考の余地があったと思う。

自己紹介

先に軽く自己紹介をしたい。

昔から映画が好きで、特に高校生の頃は3年間で500本以上の映画を見た。

よく行くレンタルビデオ店で、旧作15本を7泊8日で1000円という破格の安さで借りることが出来たので、よく借りていた。この頃はSFとホラーが好きだった。

 

最近はHuluとアマプラに加入しているので、ゾンビ映画はかなりの数を見ている。

好きなゾンビ映画は正統派のホラー路線で言うと、ドーン・オブ・ザ・デッドデイ・オブ・ザ・デッドバイオハザード1、2など。

 

思うこと

主に不満に思うことは2点ある。

ジルとカルロスの信頼関係の構築と、ジルの感染に対する恐怖が描ききれていないと感じた。

 

二人の信頼関係について

市民を救助するために地下鉄を動かすという重要な作戦において、カルロスは会ったばかりのジルに危険な役回りを任せている。

カルロスは隊長からジルが特殊救助部隊に所属するエリートだと紹介されるが、それだけで射撃能力などは全く分かっていない。武器もハンドガンくらいしかないことも想像が付く。

その状況でジルの身を案じることもなく、多くのゾンビが徘徊する地上を通って変電所まで向かうという危険な役を命じていることは、あまりにも不自然だ。

どう考えても、線路の瓦礫を撤去するというカルロスの役よりも危険が大きい。

 

つまり、カルロスがいきなり会ったジルを信頼しすぎていることに違和感があり、行動を共にする中でお互いの力を認め信頼を得ていくという過程がうまく描けていないのだ。

 

もちろんゲーム性を考えると、二人で変電所に向かう展開を描くのが難しいのは分かるが、せめて消火ホースが必要な箇所までは二人でゾンビを倒しながら進むムービーで展開して、カルロスがジルの実力を認めたところで二手に分かれたほうが良かったのではないだろうか。

 もしくはジルが「ゾンビと闘うのは今回が初めてじゃない」と言って、自らその役を買って出てくれれば良かったと思う。

 

結果、ジルはドレインディモスにムゴい目に遭わされながらもなんとか電力を確保することに成功するが、カルロスには「よしいいぞ」と上から目線で軽く言われる始末だ。

 

その後も二人が会話をするシーンが少なすぎる。

せっかく合流できても、追跡者をまくために一瞬で離ればなれになったり、カルロスが別任務が出来たと言いジルが乗る地下鉄には乗らなかったりと、すれ違いが続く。

 

所々二人が無線で交信をするシーンはある。もちろん映画「ダイハード」のジョンとアルのように無線で話すことで信頼を深めるのもありだとは思う。

でもそのために必要なのは、お互いのプライベートについて話すことだ。安全が確保できたシーンなどで、そういう話をすることが重要だと思う。

ホラーを描く上で、常に緊張状態を描くよりも安全なシーンも入れることでメリハリが付く。

 

そういうシーンは残念ながらなかった。話をするシーンを入れるためにも、地下鉄の途中の駅までは一緒に乗る流れの方が良かったように思う。

 

映画であれば無線のシーンは二人の顔が交互に映りながら会話が展開されるが、バイオ3だとジルの後方からの視点固定で描かれていて、二人の表情が映らないのも良くない。

 

 

そして、プライベートな話はおろか、バイオ1で体験した洋館事件についてもジルはカルロスに語っていない。

 

そんな感じで二人がお互いのことをよく知らないまま、最大の見せ場になるかと期待した、ジルが感染するシーンを迎える。

 

ジルの感染

オープニングは、ウィルスに感染したジルがゾンビ化する前にハンドガンで自分の頭を打ち抜く、という夢を見るシーンから始まる。

オリジナルの3のストーリーは知っていてジルが感染することも知っていたので、そのシーンを盛り上げるための伏線としてとてもいいと思った。

 

ジルは追跡者の触手で腕に刺された直後、いきなり気を失ってしまう。この時にウィルスを注入されたのだが、その後カルロスが見つけてきたワクチンで回復するまで、全く目を覚ますことがない。

つまり、ウィルスに感染したことに対する恐怖が全く描かれていないのだ。

 

オリジナルの3だと、感染したジルは意識があり、カルロスに自分がゾンビになったら撃ってくれ、と懇願するシーンがある。

こういう展開をPS4の綺麗なグラフィックで見たかったというのに、RE:3で無かったことが非常に残念でならない。

 

冒頭の自分の頭を打ち抜くシーンが台無しになった気分だった。

 

ワクチン注射後、ジルの目が覚めないままカルロスは先に向かってしまうため、自分のために傷つきながらワクチンを取ってきたカルロスの姿を見ることも出来ていない。

ワクチンを注射されたときに、ジルにはいったん意識を取り戻して欲しかった。

 

そして、ラストまでジルがカルロスに自分の命を救ってくれたことへの感謝を伝えるシーンは無かった。